儲かる5Sにするために

 5Sがなかなか定着しないという話をよく聞きます。その原因の一つに管理者・経営者の方の意識が低いということがあります。現場の作業者は、たとえば整理・整頓によって探す時間が減り、また作業ミスも減って作業の効率が上がるとか、怪我をしにくくなり安全な職場になるとか、清掃と合わせて点検をすることで機械の故障が少なくなるなど、効果を実感しやすいので、こういった効果と結びつけて5Sを意識づけすることも可能ですが、そんな時、職場のリーダーや管理職の方が「5Sよりほかにやることがあるやろ。」などと言って生産優先の態度を取ったりすると5Sは定着しません。5Sは管理者・経営者が率先垂範しなければ定着しないものです。つまり管理者・経営者の意識に問題があることも多いのです。ではなぜ管理者・経営者はそんな風に5Sの優先度を下げてしまうのでしょうか? それは5Sをやっても直ぐに利益につながるという意識が少ないからではないでしょうか。「5Sは儲かる」と意識できればもっと優先度が上がると思います。そのためには5Sを単なる「モノの5S」ではなく、「仕事の5S」と考えることが大切です。

 整理は、要るモノと要らないモノを分けて要らないものを捨てることですが、それを価値を生む仕事と価値を生まない仕事に分けて、価値を生まない仕事は止めることと考えます。整頓は、要るモノを使いやすいように置き、明示することですが、それを必要な時に必要な仕事を完了することと考えます。清掃は、常に掃除しきれいにする、そして点検するということですが、それをムリ・ムラ・ムダを見える化し排除する、そして問題解決力を向上させることと考えます。清潔は、3Sを維持し気持ちのよい職場を維持することですが、それを改善された業務を標準化・共有化し、管理を定着させることと考えます。躾は、守るべきことが当たり前にできるよう習慣づけることですが、それを自主・自律型の人づくりと捉え、自らPDCAサイクルを回せる人材を育てることと考えます。このように考えれば、「5Sは儲かる」と感じられるのではないでしょうか。管理者・経営者の意識が変わればそれは言動に現れます。それを見て現場の作業者の意識も変わり、5Sは継続します。

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