リードタイム短縮による在庫リスクの低減

 製造業は受注と生産の関係によって、4種類の生産形態に分けることができます。それは、以下の4つです。
 ①個別受注生産
 ②繰り返し受注生産
 ③受注組立生産
   ④見込生産
 個別受注生産では、注文を受けてから設計を始め、加工→組立→出荷、そして流通を経てお客様へ届きます。この形態では在庫は原則として存在しません。
 繰り返し受注生産では、同じ品種のものを繰り返し受注し製造します。仕様が与えられているため、設計は不要で、その分受注~出荷のリードタイムは短くなります。材料在庫は支給される場合と自家調達する場合があります。自家調達の場合は材料在庫を持つ必要がありますが、汎用性の高い原材料が多く、陳腐化リスクは比較的少ないと思われます。
 受注組立生産では、予め部品あるいはユニット品を作っておき、注文を受けた時点で組み立てて出荷する形態です。受注~出荷のリードタイムは短時間で済みますが、部品在庫や仕掛在庫を常備しておく必要があります。部品やユニット品が標準化していれば品種の異なる注文にもある程度利用できますので、在庫リスクを低減することができます。
 見込生産は予め完成品を在庫しておき、一般消費者が店頭で購入し持ち帰ることができる形態です。受注~出荷のリードタイムは最短ですが、品切れが起こらないように全ての品種の製品在庫を揃えておかなければなりません。売れ残れば転用が利かず廃棄されます。
 いずれの生産形態も下流は受注を受けてから動きますが、上流側は見込生産で進められ、上流側の見込生産と下流側の受注生産がぶつかる点で在庫を抱えることになります。したがってリードタイムを少しでも短縮して在庫ポイントを上流側に移行することで、在庫の汎用性は高くなり、在庫リスクを小さくすることができます。

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