生産改善の落とし穴

 段取時間の短縮や、組み立て速度アップなどで、工場の生産能力が増えたのに利益が出ていないという方がいらっしゃいます。たとえば、成形工場で金型を交換する時間を短縮しても、それで余った時間を使って、今まで以上の製品を成形しないと、会社の売上高あ増えず、利益も増えません。また組立工場で作業方法を改善し、組立にかかる時間を短縮しても、それで余った時間に、今まで以上の製品を組立てないと、会社の売上高は増えず、利益も増えません。設備の多台持ちを実施して作業者を削減しても、その人が製品の検査や在庫品の整理をしているということでは労務費は削減できません。つまり、労働生産性や設備生産性を向上させても、それで増えた生産能力を活かさないと利益にはつながりません。たとえば、受注量を増やすか、これまで能力不足で外注していた生産を内製化することで初めて利益につながるのです。一方で不良率の低減、材料費削減、省エネなどの資源生産性の向上は売上に関係なく利益につながります。この違いを理解して生産改善に取り組むことが大切です。

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