5Sが定着しないのはなぜ

 5Sがなかなか進まない、あるいは定着しないという話をよく聞きます。その一つの原因は、5Sは地味な活動で効果が実感できないということではないでしょうか。5Sを推進する場合はその効果を従業員の皆様の腑に落ちるようにしっかりと理解していただくことが重要だと思います。

 5Sの効果を説明しますと、次のようになります。一つ目は、「探す時間の短縮」です。整理整頓ができていないと、ものを探す時間というのが意外に大きいのです。探し物をする時間についてアンケートを取ってみると、1日平均30分かかっているとします。30分の人件費が1,000円とすると、一月の稼動日数20日として、社員数が30人なら探すのに月60万円かけている計算になります。社員数10人でも月20万円です。二つ目は「品質向上と安全確保」です。整理整頓が行きとどき、きれいな職場ですと、作業ミスも減少します。怪我もしにくくなります。三つ目は「ムダの排除」です。片づけるのを少なくするためにムダなものを仕入れたり、ムダなエネルギーを使わなくなります。四つ目は「顧客への安心提供」です。訪問した時、汚い工場ですと、この工場でできる製品の品質も悪いのではないかと思われてしまいます。不純物が混入しているのではないかと感じてしまいます。きれいな工場を訪問すると気持ちがいいですし、いい製品ができるのではないかと人は思うものなんです。五つ目は「社員のモチベーションアップ」です。自ら掃除をしてきれいな職場になると、気持ちよく仕事ができます。仕事の能率も上がりやる気が出てきます。「おたくの工場はいつ来てもきれいですね」とお得意様から言われると嬉しくなりますよね。掃除は心まできれいにしてくれるのです。六つ目は「創造性の発揮」です。スッキリした職場ですとクリエイティブな発想が浮かんできます。5Sは社員を生まれ変わらせる、そして会社を生まれ変わらせることにもつながるのです。

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