エネルギーの最適化を考える

 廃棄物にならなくてもエネルギーがムダに使われる場合があります。ある設備にエネルギーが投入されて稼働することを考えます。入力したエネルギーがすべて有効に使用されるのが最適ですが、入力したエネルギーの一部が効力を発揮しないということがあります。本来の商品・サービスに使われないエネルギーは無効エネルギーとなります。エネルギーの最適化とは、無効エネルギーを極力少なくすることです。

 

 そのためには、機械効率を高めることと、機械の運転率を高めることが必要です。機械効率を高めるためには、高効率設備への更新が浮かびますが、設備全体を更新することだけが解決策とは限りません。たとえば、ポンプの必要流量の変動に合わせてモーターの回転数を変動させるために、ポンプにインバータを追加するというのもその一つです。

 

 設備が効力を発揮するのに一定時間慣らし運転が必要だとか、機能を維持するために待機電力が必要ということがあります。こうしたロスを減らすためには、一度設備を稼働したら、長時間連続して稼働することが重要ですが、生産するものがないのに稼働し続けることはできません。需要への対応や納期を優先しながらも、その中で極力設備を止めなくても良いような生産計画を立て、それに合わせて設備を稼働することが求められます。つまり、ムダのない効率的な生産計画とそれに連動した設備稼働です。

 

 あるプラスチック製品の射出成形を行っている工場で、次に成形するものがない時、射出成型機自身は非稼働ですが、樹脂を溶融するためのヒーターは点けたままにしているという事例がありました。熱エネルギーがムダに放出され、空調のためのエネルギーも浪費していました。再稼働するためには2時間程度の立ち上げ時間が必要なために、ヒーターだけは点けているということでしたが、2時間以上生産予定がなければヒーターも止めるべきでしょう。できれば、射出成型機が長時間連続運転できるように生産計画を組むことが重要です。もちろん売れる見込みがないのに生産しては却ってムダになりますので、生産管理担当者は総合的に判断して最適な生産計画を組む必要があります。

 

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