エネルギーの有効利用が省エネの本質

 何か事業を行う場合、仕入れたものをそのままお客様に提供する小売業、加工して付加価値を付けでお客様に提供する製造業、飲食業、建設業、サービス業、いずれも投入したエネルギーの全てが商品・サービスに形を変えてお客様に価値提供されるとは限りません。商品・サービスにならなかったものは廃棄物として捨てられます。これらの廃棄物を作るためにもエネルギーが使用されていますので、廃棄物があるということはエネルギーがムダに使われたということになります。

 

 次に一つの施設の中で、熱の流れからエネルギー構造を考えてみます。たとえば飲食業の店舗を想定してみると分かりやすいです。エネルギーが設備に入力されて仕事をしますが、その過程で放熱されてエネルギーの一部が室外へ捨てられます。そして残りの熱は室内に蓄積されます。給排気によって室外との間で熱の出入りがあります。さらに空調設備によって吸熱・放熱が行われ、ここでも室外との間で熱の出入りが発生します。熱というエネルギーを店舗から出したり入れたりすることは、ムダにエネルギーを消費することになります。排熱を有効活用することができないかを考えることで、エネルギーの最適化を図ることができます。施設全体のエネルギーフローを調べ、どこに省エネポイントがあるのか、どこを優先的に改善すべきかを考えることが重要です。たとえば、CO2濃度は1000ppm以下であればいいのですが、500ppmとかかなり低い場合があります。つまり換気のし過ぎということですね。冬場暖かい空気が外部に放出され冷たい空気が入ってくるということで暖房のエネルギーを余分に使っているということが起こってはいないか、CO2濃度を900ppmくらいまで上げるよう換気の調整をするということもひとつのポイントになります。

 

 省エネはエネルギーを削減するというよりも、入力されたエネルギーをムダなく如何に有効に活用するかという視点が重要です。

 

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