発注方式はABC分析で決める

 作成した生産計画通りに生産するためには、生産計画の各工程で必要な材料や部品が着手時点で揃っていなければなりません。したがって基本は生産計画を作成した後に生産計画に基づいて部品展開し、必要量を計算し、在庫引当を行って発注量を決めます。生産計画は定期的に作成されることが多いので、こうした材料発注も定期的に行われるため、定期発注方式と呼ばれています。転用が利かない部品、高価な部品、調達リードタイムが長い部品などはこの方式が適しています。多少手間はかかってもできるだけ正確に必要量を算出し、在庫を少なくかつ品切れが発生しないようにする必要があるからです。
 もう一つの代表的な発注方式として発注点方式があります。これは出庫が行われて、在庫量が決められた量を下回った時に決められた量を発注する方式です。あまり手間をかけずに発注することができます。汎用部品や需要が安定していてバラツキが少ない部品、調達リードタイムが短い部品などの発注に適しています。
 さらに手間をかけずに発注する方式として、たとえばダブルビン方式があります。この方式では、まず同じ容器や棚を2つ用意して、そこに入れる数を決めておきます。1つの容器から部品を取り出し、1つの容器がなくなったり、一定量になった時点で部品を決まった量だけ発注します。そしてもう一方の容器から部品を取り出していきます。これを繰り返す方式がダブルビン方式です。
 どの品目をどの方式で発注するかを決める方法としてABC分析があります。在庫している部品を在庫費用の高い順に並べ、たとえば以下のようにABCに区分します。
 A品目:10%の品目が在庫費用の70%を占める。
 B品目:A品目と合わせて30%の品目で費用の90%を占める。
 C品目:残りの60%は費用の10%にしかならない。
A品目は定期発注方式、B品目は発注点方式、C品目はダブルビン方式というように決めるのです。すべての品目を平等に管理するよりもA品目を重点管理し、メリハリをつけた管理を行う方がより効果的な在庫管理ができます。

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